sora-satoのブログ

庄村聡泰さんについて自由気ままに語る[聡blog]です!

No.2 SNACK NGL

こんにちは。

宙組(そらぐみ)です。

 

聡泰さんが3月22日の夜に4時間インスタライブを配信し、そこでこれからの活動について発表されました。

 

大きく分けて2つあったのですが、そのうちの1つがファッションプロジェクトに参加!というもの。聡泰さんのファッションセンスが大好きだったので、すごく嬉しいです!

 

そのファッションプロジェクトは「SNACK NGL」という名前で、「さまざまな⼈、物、事を継(ツギ)ったり包(バオ)ったりする――」という素敵なコンセプトに沿って、古着などの素材を受け継ぐ「リメイク」、生活雑貨を「包む」もの、を作っていくそうです!

 

ファッションに全く無縁だった私も、さまざまな人(それこそまさに聡泰さん)、物、事の繋がりでファッションに興味を持つようになりました。ですので、このコンセプトにはすごく共感するというか、素敵だなと思います。

 

そして4/3に行われた、ポップアップストアに私、なんと当選しまして足を運んできました!

その時の様子を次、書きたいと思います!

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No.1 庄村聡泰

こんにちは。

宙組(そらぐみ)です。

 

この『聡blog』は、最初、聡泰さんの治癒・復活を祈って始めたものでした。その時はタイトルを『Vol.』にしていました。

 

しかし、2020年の1月24日に勇退が発表され、そこからはアンコールという形で『Enc.』というタイトルをつけていました。

前回の『Enc.30』にて、聡泰さんのラストライブについて書き、ここから新たな第2の人生についても追って書いていきたいと思います。

 

それにちなんでタイトルも『No.』に変えました!

 

改めまして、宙組の聡blogを今後とも宜しくお願い致します!

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Enc.30 Where's My History? 後編【Untitled】

こんにちは。

宙組(そらぐみ)です。

 

今日は先日、幕張メッセにて行われたワンマンライブ「Where's My Yoyogi?」について書きたいと思います!こちらは後編です!

(前編はEnc.29へ)

 

noteという媒体で書いたものをこちらにも引っ張ってきました。

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(前編の続き、Encから)

アンコールを求む大きな拍手。そしてしばらくしてから、モニターに電話の応答画面が映り、コールが何回か鳴った。そして電話に出ると、パソコンのデスクトップにリモート通話画面が映し出された。テレビ電話の先に映るように、演奏の様子が映し出される。センターステージにサポートキーボードのRose。花道の真ん中に川上。メインステージにリアド。上手の横に伸びたステージの先に白井。下手の横に伸びたステージの先に磯部。全員が離れて距離をとって演奏した『rooftop』。コロナ禍で直接的な触れ合いがなくなった切なさやもどかしさを歌った曲を、このような演出で届けたのには楽曲の世界観、緊急事態宣言下の様子を表す為だったのだろう。すぐ目の前の画面の先に愛しい人がいるはずなのに手を伸ばしても触れ合えない、あの曖昧な世界線が思い出されて、優しいメロディが、川上の温かい声が、ギュッと切ない気持ちにさせた。


そこから全員がメインステージに戻り、『Beast』、『風になって』と新曲を立て続けに披露した。エッジが効いたベースラインが映える前者と、ラフなメロディが心地よい後者。対照的な2曲が改めて[Alexandros]の振り幅の凄さを感じさせる。

 

そして、ここから(確か)MCなのだが…その時、隣の友人が目をまん丸に見開いて私の腕をそっと掴んできた。何かと思えば、友人は静かに、センターステージを指さした。

私が座っている席は割と前の方だったから、後ろを振り向く形で、恐る恐るセンターステージを見る。
すると、目に飛び込んできた光景に全身鳥肌が立った。

 

ずっと見続けてきたサトヤスの派手な黄色のドラムセットが、いつの間にかセンターステージに置かれていたのだ。2つのバスドラと、"少し"高いシンバル。(2018年夏にセットを改造した時にシンバルが少し低くなったかと思う。)
[Alexandros]のステージの差し色になってた真っ黄色の派手なドラムセットを見るだけで、サトヤスが自由自在に叩きまくってた光景が脳裏で再生された。涙がポロポロとこぼれてきた。

でも、彼はドラムを叩けないはずだ。なぜ、勇退する今日という日の最後にドラムセットが置かれているのか。「もしかして叩いてくれるんじゃないか?」何億回も願った期待の声が脳内で再生される。いや、でも、写真撮影をするのかな?オブジェとして置いたのかな?と、無理やり冷静になろうとするが、その気持ちとは相反して涙が頬を伝って止まらない。

 

すると、それまで遠くで聞こえていた川上の話す声が急に耳に飛び込んできた。

 

「サトヤス、呼びましょうか」

 

後方の客席から拍手が起きる。ごしごしと涙を拭いて、何とか後方に目をやると、相変わらず奇抜な服装のサトヤスが客席の合間を縫って歩いていた。大きなハットを被って俯き気味で歩いてるせいか、それとも私の視界が涙でぼやけてるせいか、表情はよく分からない。気づけば残りのメンバーも花道を歩いてセンターステージに向かい、サトヤスもセンターステージに登って、幕張メッセのど真ん中で4人が合流した。サトヤスを含めた4人が、再びステージに立ってくれたその光景が愛おしすぎて涙が止まらず、私のマスクを濡らした。(そこからお互いにハグとかをしていたらしいが、私はもう立つのもやっとなくらいフラフラと泣いていて全然見えてなかった…)

 

そしてなんと…。
サトヤスがゆっくりと、ドラムセットの前に座ったのだ。本当に叩いてくれるの…?という自分の期待からか、その仕草がスローモーションに見えた。


そしてその期待に応えるように、川上が静かにギターを鳴らす。選曲は『Untitled』。後日、サトヤス本人のInstagramには、選曲理由がこう書かれていた。

 

 

"

とある4人と、

 

それに関わってくれている全ての事、物、人、

 

もしも、その関係に題名をつけるとしたら?

 

考えても、

 

考えても、

 

そうしてしまうには、余りに素晴らしすぎて。

 

だから選ばせて貰いました。

 

"無題"って曲をね。

 

愛してるぜ[Alexandros]。

"

 


何か言葉をつけてしまえば、その事象にレッテルが貼られ表現の範囲が決められてしまう。そんなことが出来ないほど、定義付けられないほど、素晴らしかった全ての事、物、人に敬意を示すように綴られた言葉。恐らく他にも色んな理由があったと思うが、この選曲理由を読んで、胸が苦しくなるくらい、再び感動した。


『Untitled』は途中からドラムが入ってくる。先に白井のギターが鳴って、ワンフレーズ後に磯部のベースと一緒に、サトヤスがハイハットを刻んだ。サトヤスがドラムを叩いている。目の前で繰り広げられている光景は、まるで幻のようだった。

 

最後だと知らずに(むしろ復活祭だと思って)見ていた1年半前のさいたまスーパーアリーナ公演。あれが結果的に最後の彼のドラム姿、最後の4人での演奏になったことが非常に悔しかった。叶いもしない「一度だけでいいから、もう一度、みたい。聴きたい。」という願いをずっと持っていた。神様に縋る思いで、ジストニアを治してくれ、と思っていた。そんなふうに願っていた姿や音が、届けられていることに、心が震え、涙が止まらなかった。

 

サトヤスの局所性ジストニアの症状としては、右足に脳からの伝達がいかず、バスドラが思うように踏めない、ということだった。その為、上半身だけのドラム演奏かと思っていたが、Bメロに突入するとサトヤスのキックが、バスドラムが、鳴ったのだ。魔法がかかっているかのように、この1年半が嘘のように、確実なビートが、サトヤスのドラムが、確かに鳴っていた。タイムスリップしたかの如く当たり前のように、4人の姿で[Alexandros]の音楽を奏でていた。画面越しでもなくて、すぐそこで。同じ空間で。温度感のある生演奏。

 

サビになってサウンドが厚くなる。ドラムの手数も増える。一つ1つ、ゆっくり丁寧に。今まで鳴らしてきた4人の音を確認するように叩いていた。私の位置からは、彼らの"後ろ姿"が見える角度だったから表情は見えない。涙でびしょびしょになったタオルを握りながら、振り返って大きなモニターを見ると、そこに映し出されていたのは、表情を崩して、泣きながら最後のドラムを叩くサトヤスの勇姿だった。その勇姿を見て、私は泣き崩れた。

 

もう一度、4人の演奏が見れて嬉しい気持ち。そして、私には計り知れないくらい難しいだろうに、叩いてくれてありがとうの感謝の気持ち。でもこれが本当の最後だと分かっていながら見る、恐ろしく寂しい気持ち。こんな素敵な彼にジストニアを患わせた運命を、憎みたい気持ち。でもそんなことが失礼なくらい、ドラマーという肩書きを除いても庄村聡泰という人間が愛おしくてたまらない気持ち。[Alexandros]の音楽が、やっぱり大好きな気持ち。これまでサトヤスのドラムを何度も聴くことが出来て、出逢えて、幸せだという気持ち。色んな感情が次から次へと湧き上がってくる。まさに題名をつけることができないアンタイトルな感情に、ずっと涙を流しながら聴いた。この日、新たな彼らの名歴史が刻まれた。

 

最後の音が鳴り、演奏が終わる。
各々が楽器を置き、サトヤスは椅子から立ち上がった。そして長い長い花道を、いつかのライブの日と同じように4人で肩を組んで、煌びやかな照明を背負って歩いた。モニターに映し出されたのは、少年のような笑顔が光る3人と、笑顔が見えながらもハンカチで目を抑えるサトヤス。今まで4人で歩いてきた歴史を噛み締めるように、ゆっくりと、前を向いて花道を歩いた。

 

メインステージに辿り着くと、サトヤスはハットを取り、胸に当て、観客に向けて紳士な深いおじぎをする。そしてくるりと振り返って[Alexandros]を象徴する"[ ]"が大きく飾られたステージにも深く一礼をした。そして"お疲れ様、ありがとう"と言わんばかりの大きな拍手と、観客がすすり泣く音に包まれながら彼はステージから去っていった。

 

如何に彼が皆から愛されているか、そして今まで歩いてきた歴史と、これからの[Alexandros]に変わらぬ素敵な関係性があるか、それらがギュッと凝縮された数分だった。

 

しんみりとした空気の中、「[Alexandros]はこれからも続いていきます!」と川上が言うと、最後に新曲、『閃光』を派手なレーザー光線の元、痛烈に届けた。これだから[Alexandros]は。さすがだな。って思った。何があろうともバンドとして前に突き進んでいくスタンス、世界一を目指す信念は変わらない。サトヤスと一緒に歩んできた時間を背負って、それをしっかり引き継いで、これからの躍進を大きな会場できらびやかに提示した。眩しかった。

 

こうして、サトヤスは新たな人生へ、そして[Alexandros]も次のステージへ、晴れやかに突き進んでいく素晴らしき門出の日となった。

あの日の切ない程に美しい一つ一つの光景や楽曲を思い出しながらこの文を書いていて、思ったことがある。


[Alexandros]のこれまでの歴史を振り返って、その時々の彼等のエピソードを思い出すと共に、私の人生の歴史も思い返された。どの曲を聴いても、色んな思い出や景色、感動が詰まっている。如何に私のこれまでの歴史に、[Alexandros]、そして庄村聡泰が不可欠だったか。どんなときも[Alexandros]の音楽は私の人生に寄り添い、退屈な日々も彩ってくれていた。

 

そして、ハッと気づいた。

 

[Alexandros]の中に私の歴史もあるのだ。
つまり、『Where's My History?』の答えは、紛れもなく『[Alexandros]』だった。


これからも、[Alexandros]は突き進んでいくだろう。何歳になっても私の人生を彩ってもらおう。またこれから何十年もずっと、My Historyは、[Alexandros]にあってほしい。


そして改めて、庄村聡泰、10年間ありがとう。これからもよろしく!
Catch you later!

 

🔺

 

あの愛おしい光景を思い出すと、いつでも涙が零れてきます。

ありがとうとか、お疲れ様とか、これからも頑張ってねとか、応援してるとか、色んな言葉が脳内で錯綜するけれど、引っ括めると「大好きです」ということ。

今までも、これからも、庄村聡泰が大好きです。

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Enc.29 Where's My History?(前編)

こんにちは。

宙組(そらぐみ)です。

 

今日は先日、幕張メッセにて行われたワンマンライブ「Where's My Yoyogi?」について書きたいと思います!

 

noteという媒体で書いたものをこちらにも引っ張ってきました。(noteはこちら→https://note.com/soragumi_com)

 

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泣き腫らしてパンパンに重たくなった瞼を開け、ガンガンと痛む眉間に指を当てながらコレを書いている。ついさっき、幕張メッセにて行われた[Alexandros]のライブが終わったばかりだ。(記事が完成した今は、日にちも経って落ち着いています。)

 

昨年1月に、それまで局所性ジストニアにて活動をお休みしていたドラムス・庄村聡泰(以下:サトヤス)の勇退が発表された。
(その時の感情はここに書きなぐっています↓
https://ongakubun.com/posts/5043
今になって改めて、忘れないうちに書いてて良かったと思う。だから今も必死に目を開けて再び泣きそうになりながら文字を綴っているのだ。)


[Alexandros]は昨年10周年イヤーで、ベストアルバムのリリースやツアーなど沢山のイベントを拵えていた。そしてサトヤスは5月にリリースされるベストアルバムを以て勇退、となっていた。

しかし、そこに突如現れた"憎い"ウィルス蔓延。それらのイベントは尽く無くなり、先の見えない日々が続いた。ただ、一言で"憎い"と片付けられない想いが私にはあった。大好きなサトヤスの、勇退が延びたのだ。

 

勿論、計り知れない程の苦悩や葛藤を乗り越えた上での決断だっただろうから、宙ぶらりんになった状態を手放しに良かったと喜ぶのが不謹慎なのは分かってる。でも、延びたからこそ、8月に開催された『THIS SUMMER FESTIVAL』ではMCとしてステージに立つサトヤスの姿を見ることが出来たし、FCコンテンツの動画や企画で、相変わらず切れ味抜群のトークを繰り広げる様子も見ることができた。1ファンの私としては[Alexandros]の庄村聡泰が見れる機会が増えたのは素直に嬉しいことだった。

 

時が経ち、エンタメ界の感染対策ガイドラインも確立して、少しずつ一定の制限下でライブ活動が再開し始めた頃、改めてベストアルバムのリリースとワンマンライブが決定。ベストアルバムのタイトルは『Where is My History?』。10年前にリリースしたデビューアルバム『Where's My Potato?』をもじった上に、10年の歴史を感じるタイトル。そしてワンマンライブは、下積み時代にずっと路上ライブをしていた代々木公園の敷地内にある代々木第一体育館にて開催されることになった。タイトルは『Where's My Yoyogi?』で、日程はデビュー日の1月20日を含んだ2Days。コロナのお陰、と言ったら語弊になるかもしれないが、ベストアルバムの発売が延期になったことで、デビュー日に、想い入れのある代々木でライブをやることになったと思うとさすがは[Alexandros]、今まで数々の逆境に打ち勝ってきただけあるな、流れを手繰り寄せてるな、と思った。


しかし、そんなことを思ったのも束の間。2度目の緊急事態宣言を受け代々木公演も延期に。何があっても前向きに活動してきた彼らにこんな仕打ちあるか?と悔しくなったりもしたけど、それでも、最初の発表から幾度となる変更を乗り越え、最終的な開催は3月20日、21日の幕張メッセで決定した。(本当に"Where's My Yoyogi?"になったのだ…。笑) そしてこれまた奇遇なことに、3月21日は庄村聡泰の誕生日。川上洋平(Gt.Vo)の言葉を借りるなら本当に「サトヤス、なんか持ってるな」といった感じだ。

 

 


待ちに待った(というより若干きてほしくなかった)3月21日。悪天候による交通機関の乱れで15分遅れの開演となったが、様々な感染防止対策も含め、無事にライブが始まった。

 

彼等のお馴染みの出囃子『Burger Queen』が場内に流れると、スクリーンには彼らの幼少期や学生時代の写真がスライドショーの様に次々と映し出された。面影があったりなかったり、兎にも角にも可愛い少年たち。続いて画面に大きく「2001年 秋」と映し出され、当時の川上と磯部寛之(Ba.Cho)の様子を子役が再現したVTRが流れる。彼女に振られて落ち込んでる磯部を川上がバンドに誘うシーンだ。[Champagne]([Alexandros]の旧名)が結成された瞬間。
更に時は経ち、「2008年」のとある日。川上が、磯部、白井眞輝(Gt.)、旧メンバーの石川博基(Dr.)が待つ部屋に「いい曲できた!」と笑顔で入る。満を持して川上が弾いたイントロは何拍子とも言えない複雑なリズムだった。「それ、曲?」 「なにそのリズム…」とメンバーが首を傾げたところで、会場は暗転した。

 

いつの間にかステージに立っていた彼等が赤い照明に照らされ鳴らしたのは、「なにそのリズム…」な『For Freedom』。路上ライブで通りかかる人に少しでも振り向いて貰う為に、耳馴染みのよい楽曲の制作を意識しすぎて溜まった鬱憤を晴らした曲だとか。まさにヘイトが爆発するようなロックナンバー。そして磯部が「いけるか幕張ーー!!」と叫ぶと、会場のボルテージは一瞬にして急上昇。そして間髪入れずに色気たっぷりの『She's Very』が届けられ、心地よいグルーヴが光った。


再び始まったVTRで、メンバーは肩落としため息をついていた。デビューが決まったタイミングでドラマーが抜けてしまったのだ。残された3人で考えた結果、迷わず思いついたドラマーがいた。

 

そう、サトヤスの加入だ。

 

映像が消えると、ライブではお決まりとなったドラムパターンから『City』のアルペジオになだれ込み、観客のクラップが揃う。サトヤスの、いわゆるデビュー曲だ。この10年を語るのに無くてはならない曲の1つで、勇退発表があってからの1年、より一層心を込めて聴いた曲だった。なんとなく「サトヤスの曲」というイメージのあるこの曲を聴くと、脳内にありありとサトヤスが叩いてる様子が思い浮かぶ。ラストサビの前のタム回しを聴くと『It's Me And Me Against The World』に収録されている「2011.08.28 SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2011」で半裸でヘアバンドをして頭を振りながら叩いてる姿を思い出したりもする。そんな風にサトヤスを思いながら、忠実に彼が叩いていたフレーズを刻むリアド偉武(サポートDr.)の姿を見ていたら思わず涙がこぼれてきた。彼等が変わらずに活動できたのは紛れもなくリアドのお陰で、彼に対する感謝の気持ち、そしてサトヤスのことを思う愛おしい気持ちで、涙がこぼれた。

 

そして『City』の次に続いたのは意外にも『Rocknrolla!』。(かなりマイナー曲。)モニターには、演奏するメンバーがサーモグラフィーで映される。これはMVでも使われていた手法だ。これもまた転調の嵐で、間奏でちょっと穏やかなメロディになったかと思ったらゲリラ豪雨が襲ってきたかのようにヘヴィなサウンドが押し寄せ、白井がシャウトし、磯部が激しく叩くようにベースを弾く。そしてまた一瞬の静寂を経て怒涛のアウトロへ。半端ない展開と圧倒的なパフォーマンスで幕張メッセの空気を鷲掴みにすると、川上が「僕らなりのラブソングを」と一言添えて『You're So Sweet & I Love You』を披露。バックスクリーンには大きな赤いハートマークが映し出され、照明も白、ピンク、赤、オレンジと暖色が映えるキュートな演出に。さっきのテイストとは一転した演出に、バンドとしての引き出しの多さを感じる。ただ、《オンリーワンじゃクソくらえだ/ナンバーワンがいい/単純明快なこの歌を/世界に投げつけよう》という歌詞の通り、ラブソングと言えど、やはりハングリー精神は剥き出しだ。

 

そしてまたVTRに。「フェスでもっと盛り上がる曲が欲しいな」と悩む川上。少しずつバンドが大きくなっていった様子を醸し出した直後、プロデューサーがスタジオに入ってきて武道館公演が決まったことを喜ばしく伝える。しかし川上は「そうですか」とだけ吐いて、すぐレコーディングに打ち込む。「嬉しくないのか?」と聞かれて「俺らにとって武道館は通過点なんで」と吐いた直後、鳴らされたのは『Waitress,Waitress!』。ラテン風のギターがカッコよく、跳ねるリズムが特徴のこの曲はワンマンのみならずフェスでも大衆を一瞬にして跳ねさせる。そして空気は一変、白井がフライングVで掻き鳴らすリフがかっこいい『Kick&Spin』。ハンドマイクを持った川上は横に広く伸びたステージを歩き、右へ左へ、そして花道へと広い幕張メッセを気持ちよさそうに見渡しながら歌った。磯部や白井も自由自在にステージを行き交う。そしてメインステージに戻り、最大のアンセム『Starrrrrrr』を遠くまで突き抜けるように、高らかな高音を響かせ歌った。規模感が大きいこの3曲の流れは、バンドが大きい存在にどんどん駆け上がっていった時代を示しているようだった。

 

そんな躍進を続ける彼らに起きた事件を引き続き子役が演じる。「バンド名変えなきゃいけなくなったから、考えておいて」と、チーフマネージャーの千田さん。[Champagne]と字面が似ている[Chimpanzee]と、尊敬する人に提案された[Leatherboys]で悩むメンバー。どちらも腑に落ちず、埒が明かない時間が流れた時、白井が言った「世界を目指すなら分かりやすい名前がいいよね」という言葉に「それだ!」と川上。

 

そして新たな名前"[Alexandros]"のロゴを背負って、改名後一発目に鳴らした『Droshky!』を奏で始めると、サウンドインと共に派手な特攻が打ち上がった。眩いレーザーが交錯し、炎も上がる壮大な演出。名前が変わろうとも世界を目指す彼等のスタンスは変わらず、むしろパワーアップしたことを示すように圧巻のパフォーマンスを繰り広げる。そして間髪入れずにドラムのビートから『Dracula La』、『Adventure』と、普段であればファンのシンガロングがお決まりな曲を続けた。「こうみると、[Alexandros]ってシンガロングの曲が多いなって思うね。声は出せないけど、心の中で思いっきりシンガロングしてほしいです!」と川上が言う。確かに彼等の楽曲にはシンガロングが多い。その証拠に、何度も聴いた大音量のシンガロングが脳内で再生され、まるで幕張メッセが本当にシンガロングで包まれたような錯覚に見舞われた。

 

MCを挟み、川上に曲振りを頼まれた白井は「俺の喉は幕張に置いていきます。」と一言捨てると、「いけるか幕張ーーーー!!!」と声を荒らげて叫んだ。普段、ステージ上で寡黙な白井の叫びに、大歓声の代わりの大きな拍手が幕張メッセを包むと、『ワタリドリ』のリフが鳴り響く。彼等を更に遠くまで羽ばたかせていった楽曲。代名詞となった楽曲。何度聴いただろう。閉塞感ある受験期の夜にこの曲を聴いて、気分転換をして机に向かったり、初めて行った彼等のライブの記念すべき1曲目で泣いたり。アコギのアレンジや、キーを変えたバージョンなど沢山聴いてきた。タイアップも多く、沢山の思い出や景色が詰まった曲だ。

 

そして間髪入れずに鳴らした『NEW WALL』。《Sometimes is It's good/Sometimes is bad/愛しい 我が人生》というフレーズが、サトヤスの人生を謳っているように感じて勝手にグッときた。コード進行にフィナーレ感を感じる曲で、なんとなくもう少しで終わってしまうのかなぁ、と寂しい香りがしたところに、『Feel like』。ライブは舵を切りポップに展開していった。色んなジャンルを盛り込んだ6枚目のアルバム『EXIST!』のカラフルさを象徴するような1曲。アルバムのリード曲、という訳ではないけれど、この楽曲を聴くと彼等が繰り出した色んなチャンネルを思い出す。さっきまで力強い拳をあげていたオーディエンスも、ゆらゆらと身体を揺らしていた。

 

「Let's Go Brooklyn in New York!」と川上が言うと、スクリーンにはニューヨーク、ブルックリンの夜景が映し出され、夜景にマッチするダンサブルな『LAST MINUTE』が届けられた。この曲は、7枚目のアルバムを引っ提げて回った全国ツアー『Sleepless in Japan Tour』の1曲目だったこともあって、ツアーのことを思い出すし、ニューヨークでレコーディングをしていた彼等のエピソードも思い出す。こうやって一つ一つの曲に色々な思い出が染み付いていて、聴く度に思い出す。そして洒落た空気から一転、照明が赤く暗いモードに変わると、スタジアム級のロックナンバー『Mosquito Bite』のリフが鳴り響いた。(自由に歓声をあげられていた頃は)このリフの間の静寂に、観客席からよく歓声が上がっていて、私はその空間が好きだった。なんとなく黙って聞いていなきゃいけないような静寂を自由に切り裂くファンの声が、好きなように楽しんで欲しいという[Alexandros]のバンドスタンスを象徴しているようだったから。しかしこのご時世。感染対策で歓声禁止ということもあって川上の強靭なリフだけが痛烈に響いた。これもこれでいいな、なんて心に刻むように1音一音を吸収する。

 

そして本編最後には『PARTY IS OVER』。《君がいないとはじまらないよ/Party is over?/物足りないよ》というサビが、またもや彼を思い出させる。こうやってバンドの年表をVTRと共に辿りながら、トピックに沿った曲を披露していくと、サトヤスを思い出させる歌詞や、サトヤスが派手に叩く姿を思い出させる楽曲があって。愛しい思い出やキラキラ輝いた彼の姿がどの曲にも染み付いている。それらを思い出す為に、このライブが、しかも彼の誕生日に、あったのかなとさえ感じた。


本編最後の曲を鳴らし終えると、彼らは颯爽とステージを去った。暗転した会場に鳴り止まない拍手。

 

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(続きはEnc.30へ)

 

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Enc.28 2人のドラマー

こんにちは。

宙組(そらぐみ)です。


Enc.27に引き続き、昨年の8月に行われた

[Alexandros] 10th Anniversary

THIS SUMMER FESTIVAL 2020

Day2 FC限定!CREWの為のリクエストパーティー

について、書きたいと思います!

ただ、FC限定だったので細かいことは書けませんが…!私はこの日、実際にライブハウスに足を運びました◎

 


この日はリクエストライブということもあって、直前まで目まぐるしくランキングが変わり、メンバー皆さん、四苦八苦していました。そんな中で、サポートドラムのリアド偉武さんが、レア曲含め叩ききってくれたことに脱帽です。ライブ後の打ち上げ配信で、ライブのハイライトを聞かれた時に、笑いながら「終わった時に安心したかな。大きなアクシデント起こすことなく終わって良かった」って言ってましたが、本当に緊張とプレッシャー、負担があったと思うんです。あんなに転調と変態なリズムの大騒ぎ。しかもシンバルも高くしてくれて。Kidsのアウトロも凄いかっこよかったですし、手数の多いFamous dayも素晴らしかったです。そして何より、それに対して「リアドがかっこよかった」って言える聡泰さんも素晴らしすぎて、泣けました。もうこの2人のドラマーだけで永遠に語れるくらい、心底リスペクトです。


程よいディスタンスを保ちながら6人で映ってる写真を見ると、なんだか新しいグループみたいでかっこいいバランスですね(笑)

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Enc.27 素敵な真夏の夢

こんにちは。

宙組(そらぐみ)です。

 

本日は昨年の8月14日に行われた、
[Alexandros] 10th Anniversary THIS SUMMER FESTIVAL 2020 [Champe]vs [Alexandros] 2マン!

について、ちょっと書きたいと思います!

私は配信での参加でした◎

 

このライブは、聡泰さんがMCとして登場して下さいました!語弊を恐れずに言うならば、コロナ禍に感謝です。だって、元々の予定だったら5月のベストアルバムリリースを以て、勇退、となっていたんだもの。コロナ禍でリリースが延期したからこそ、MCとして聡泰さんが登場することが叶ったのかなと思うと、正直、延期になって良かったな、なんて思ってしまいます。


この日は、世界で1つの、彼等にしか出来ない夏フェスでした。なんて言ったって、"シャンペ"との対バン。アンプ、エフェクター、楽器諸々の機材、そして服装から楽曲まで全て"シャンペ"でした。

 

聡泰さんが言ってた「俺が立っている事も然り、幻のあのバンドを観れることも然り、良い真夏の夢を見れていますね」という言葉に、全てが集約されていました。まさにその通り、真夏の素敵な夢。

そしてそんな素敵な言葉も然りですが、聡泰さんの語彙力やエンタメ力が大爆発のMCに大満足・大感動・ボリューム満点でした!(笑)

 

そして[Alexandros]の登場、王者の貫禄に、スタジアム級バンドになったことを象徴するような壮大な楽曲に胸が熱くなりました。彼らの成長物語のような2マン。路上ライブ時代から自らを世界一のバンドと公言し続けてきたフロントマンが言う「我々のファンなら大丈夫という気持ちが決め手でした。本当にファンに恵まれました。綺麗事でも嘘でもない。大丈夫だろうと信じています」という言葉の力が本当に強くて根拠もないのに本当に大丈夫だろうと思えました。有観客ライブ、フロアをみながら奏でる彼等が嬉しそうでキラキラ輝いてて素敵でした。

 

[Alexandros]、そしてサポートドラムのリアド偉武さん、ROSEさん、そしてMC・聡泰さん!素敵なライブをありがとうございました!

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